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論文発表に最適なジャーナルの選び方
論文を発表するのに最適なジャーナルを見つけることは、学術論文執筆の重要なステップの一つです。ジャーナルの数は驚異的で(Thomson ReutersのJournal Citation Reports『ジャーナル引用率レポート』には被引用率の高い7,500以上のジャーナルが掲載されています)、さらに毎年増え続けています。特化されたジャーナルが多数ある中で、自分に「最適な」ジャーナルを選ぶことは難しい課題です。特に、新しい分野や学際的な話題に関する論文の場合にそれが顕著となります。ジャーナルの選択は、その論文を誰が読み、引用するかに大きな影響を及ぼします。また、影響力の強いジャーナルに掲載されることは、キャリア(勤め先を探す際など)や、補助金等の申請結果にも影響します。さらに重要なのは、受理の可能性が左右されることです。この記事では、論文を発表するジャーナルを選ぶ際に考慮すべき、いくつかの要素や課題について取り上げます。
ジャーナルの選択は、研究発表の準備をする際に最初に考慮すべきステップの一つです。できれば、論文を書き始める前に決断を下すべきです。というのは、ジャーナルにより論文の長さ、スタイル、用語、図表の数、ファイル形式(Word、Latex、その他)などが異なり、最終的な論文の形に大きく影響するからです。論文を書き始めた後でターゲットジャーナルを変更することも可能ですが、かなりの作業のやり直しが必要になる可能性もあります。旅を始める前に「自分がどこに向かっているのか」を知っておくことが大切なのです。ジャーナルを選ぶ際に考慮すべき2つの主な基準は、その読者層とインパクトファクターです。自分の専門分野における読者数の多いジャーナルに発表すれば、主題領域に関心のある人々の目にとまる可能性が高まります。投稿先を判断する一つの方法は、自分の論文で引用する主な論文の掲載元を見てみることです。いくつかの主要論文も同じジャーナルに掲載されていれば、自分の論文内容に関連するトピックが発表されるジャーナルであると判断することができます。
もう一つの基準であるインパクトファクターは「IF」と略されます。(ところで、インパクトの高いジャーナルに発表したがっている研究者の間には、”if only I could publish”「あの有名なジャーナルに発表できさえしたら」の”if”ファクターだという冗談があります。)インパクトファクターは、あるジャーナルに掲載された論文がどの程度頻繁に引用されるかを測るものです。インパクトファクターが高いジャーナルほど、掲載された論文の引用率は高くなります。例えば、IF1.0は、そのジャーナルに掲載された各論文が平均して1回引用されることを意味します。(2007年のScience誌のIFは30.0、Natureは26.7でした。)インパクトファクターの高いジャーナルに発表することが望ましいのは明らかですが、それらのジャーナルに論文の掲載を受理されるのが難しいことも明らかです。ですから、ご自分の研究論文の「質」とジャーナルのレベルとを一致させることも大切です。誰もがScienceやNatureに論文を発表したいと考えますが、アクセプト率は一般的に150分の1以下だと言われています(実際の数値は未公開)。
読者層とインパクトファクターの両面で自分の論文にマッチしているジャーナルが理想的ですが、どちらかを妥協する必要がある場合もあります。インパクトファクターの高いジャーナルを目指すより、インパクトファクターは低いがより適切な読者層のジャーナルを選ばなければならないかもしれません。
その他にも、ジャーナルの選択に影響を与える要因があります。例えば、ジャーナルの中には、著者がページ単位で料金を支払う必要のあるものがあります。予算に制限があるなら、ページ料金のないジャーナルへの発表を検討した方がよいでしょう。もう一つの要因はファイル形式です。これは一般的にLatexユーザーだけの問題ですが、全てのジャーナルがLatex形式に対応している訳ではないのです。
また、ジャーナルの選択は、自分の論文が発表されるまでのスピードにも影響します。論文の投稿から掲載までの待ち時間の長さは昔から有名な話で、時には1年以上もかかる場合もあります。一方、投稿やレビューのプロセスが非常に迅速なジャーナルもあります(例:光学分野におけるOptics Expressなど)。これは、ITやナノテク、分子遺伝学など動きの速い研究分野において、自分の発見や成果の「優位性」が認められるために特に重要です。レビュープロセスが迅速に行われれば、掲載可否の決定を早く受け取ることができ、論文が受理されなかった場合にはすぐに別のジャーナルに投稿することができます。
ターゲットジャーナルの選択は重大な決断です。次の論文を書き始める前に、十分にご検討ください。
参考文献: Philip J. Johnson, “How to choose the right journal for your article(論文を発表する適切なジャーナルの選び方)” Chest, 132, 1073-1076 (2007). Wikipediaの記事:http://en.wikipedia.org/wiki/Impact_factor
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