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プロの国際発表Q&Aセッション攻略法


プロの国際発表Q&Aセッション攻略法毎年、日本人の一流科学者の方々の中にも、研究発表後の質疑応答セッションを上手くこなすことができなかったために、体面を失う思いを経験するケースが多くあります。このようなことはなんとしても避けたいものです。今回のニュースレターでは、簡単でありながら非常に効果的な戦略を身につけて、ノーベル賞受賞者のように質疑応答の時間を上手にこなす秘訣をご紹介します。

質疑応答対応上の問題

学会で発表を行う際、質疑応答の時間がもっとも苦手だという方が多くいらっしゃいます。英語のネイティブスピーカーでさえも、自らの研究分野の専門家から出される質問にすらすらと答えるのは大変なことです。これに加えて、英語のネイティブスピーカーではない日本人研究者の皆さんにおいては、聴衆の前というプレッシャーの下、外国語である英語を使って、臨機応変かつスムーズに質問に対応するという状況となりこれは大変気後れすることでしょう。

質問を事前に予測できないという質疑応答セッションの性質上、事前に準備をすることなどほとんどない、とお考えかもしれません。しかし、質問に効果的に対応できるようにするためのいくつかの方法があります。これらの方法を活用すれば、プロフェッショナルであるという印象を与えることができ、同分野の研究者からも高い評価と賞賛を受けることができるでしょう。
  • 質疑応答の時間を十分に取る
    質疑応答に十分な時間を取って、プロらしさを印象付けましょう。日本人の科学者の中には質問に答えなければならないことの恐怖感から、時間切れになるまで発表を長引かせ、質疑応答のセッションを免れようとする人もいます。(スポーツで、優勢チームがゲーム終了間際にボールを持ったまま勝ち逃げしようとするのと同様に)発表を長引かせて質疑応答の時間枠まで割り込み、時間切れに持ち込むのです。ところが、これは悲惨な逆効果を招く危険性の高い方法です。議長や司会者があなたの質疑応答の時間を捻出するためにスケジュールを調整して、あとに続く発表者に不都合な影響を及ぼしてしまうかもしれません。また、質問ができなければ、聴衆を失望させることになります。時間を守り、質疑応答セッションを十分に取って、同分野の研究者仲間と会議開催者に敬意を表するように心掛けましょう。
  • 予め回答を準備しておく
    自分の発表のスライドおよび要点やテキストを準備したあと、予想可能なすべての質問をリストにまとめましょう。同僚や研究者仲間に頼んで、コメントや質問を出してもらうと役立つかもしれません。まとめたリストをじっくりと検討して、それぞれの質問にどのように回答するかを決めます。それぞれの質問について、回答の中で触れたい論点を手短にまとめて書き出します。特に、回答に苦労する質問や、自分の研究の基礎となっている枠組みに関する質問に注意を払ってください。これらの「難しい」質問に対する回答を準備することに十分時間を掛けましょう。
  • 補足スライドを準備する
    質問への回答時に使える、補足用のスライドをいくつか準備しておくととても役立ちます。これらの補足スライドは、発表で触れなかった追加のデータや図表を含むものにします。尋ねられるかもしれない質問を予想し、それに対する「回答」として予め作っておくのです。これらの補足スライドは質問に答える際の自信を高める助けになり、周到に準備しているという好印象を聴衆に与える効果もあります。

質疑応答に必須の表現とテクニック

質疑応答をする際に自信を付け、プロの研究者として体面を保てるよう、助けになる便利な表現を練習しておくこともよい方法です。以下に発表をする人が携えているべき、便利な表現とテクニックをいくつか紹介します。是非ご自身の発表用“ツールキット”に加えて下さい。

  • 質問を別の表現に言い換える
    質疑応答でもっとも有効なテクニックの一つは、質問を自分の言葉で表現し直すことです。質問を別の言葉で表現してみることで、答える前に、相手の質問を正しく理解しているかどうか確認することができます。質問を誤解して関係のない回答をすることほど、発表者にとってきまりの悪いことはありません。また、質問を別の言葉で言い直すことは、質問にどう答えるかを考える間の「時間稼ぎ」をするために最適なテクニックです。
  • 質問の意味を尋ねる
    質問が完全には理解できない場合は、質問者に繰り返してもらいます。聴衆の中にも質問を理解できなかった人がいれば、質問者に繰り返してもらうことをありがたく思うでしょう。たとえば、“I’m sorry, but I didn’t fully understand your question. Would you mind repeating it?”(「申し訳ありませんが、ご質問を完全には理解できませんでした。もう一度繰り返していただけますか?」)という表現が使えます。
  • 質問者にもっと大きな声で話すように依頼する
    質問をする人の声が小さく質問が聞き取れなかったときは、"I’m sorry, I didn’t catch your question. Please could you speak a little louder?"(「申し訳ありませんが、ご質問がよく聞き取れませんでした。もう少し大きなお声で話していただけますか?」)という表現が使えます。
  • 聴衆の満足度を確認する
    質問に答えたあと、自分の答えに質問者が満足したかをチェックするのは良いことです。その場合、"Does that answer your question?"(「ご質問に対する答えになりましたか。」)という表現が使えます。
  • 質問をかわす
    何らかの理由で質問に答えることができないときは、質問の矛先を巧みにかわすこともできます。そのときは、"That’s a good question! I’ll have to think about that"(「それは良い質問ですね。それについては少し考えさせてください。」)とか、"I need some time to consider that question. Could I discuss it with you after this session?"(「そのご質問については少し考える時間が必要です。このセッションのあとでお話しさせていただけますか?」)という表現が使えます。このように、回答をごまかしたり、返答につかえたりするのではなく、正直に答えることで、あなたのプロフェッショナリズムを示し、研究者仲間の尊敬を得られるようになります。

最終リハーサル

次の準備段階は、発表の予行演習を研究者仲間の前で行うことです。仕事仲間や他の研究グループからも見てくださる人を集めるといいでしょう。予行演習の最後には、長めに質疑応答の時間(15分~20分程度)を確保するようにしましょう。自分では考えもしなかった質問を受けるものです。そして、それらの質問を予想される質問のリストに忘れずに含めます。発表についてのフィードバックをもらうときは、質疑応答への対応と、どうすればそれを改善できるかを具体的に尋ねるようにしましょう。予行演習後は、尋ねられた質問と、それらに自分がどう回答したかを見直しましょう。

本番では

実際の発表が行われる前日の晩に、予想される質問と回答のリストを復習して記憶を新たなものにします。実際の質疑応答セッションでは、割り当てられた時間が少ないので(たいていは5分ほど)、回答は簡潔にします。また、それぞれの質問に対する回答を肯定的で明るい雰囲気で締めくくるために、"I hope that answers your question"(「ご質問にお答えできたなら幸いです」)という表現を使うとよいでしょう。

反省会

発表が終わって緊張をほぐす時間が取れたら、出された質問と、それに対する自分の回答の仕方を見直して、将来の発表に向けて更によく準備できるようにしておきます。また、協議会やセミナーに参加する際には、スピーカーたち(英語のネイティブおよびそれ以外の両方)が質問に答える際に使っている言い回しやテクニックを観察し、ノートを取るようにしましょう。

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今回ご紹介した方法に従えば、皆さんもノーベル賞受賞者のような堪能さとプロフェッショナリズムを備えて質疑応答のセッションをこなすことができるようになるでしょう。そしてこれは、ご自身の研究分野の研究者仲間からの信頼と尊敬を勝ち得ることのできるもっとも確かな方法のひとつです。

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