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WordとLaTeX-どちらを使うべきか?


WordとLaTeX-どちらを使うべきか? ワードプロセッサ(ワープロ)は1990年代に広く使われるようになりましたが、その当時WordとWord Perfectが市場を二分し、どちらが優れているかについて熱い論議が交わされました。熾烈な戦いのあと、Wordが勝者として残りました。現在ではWordは、文書作成において、ほとんど他の追随を許さない地位を確立しています。しなしながら、科学研究分野では、Wordに対抗する別のソフトウェアが存在します。LaTeXと称されるものす。

LaTeXとはどんなもの?
厳格に言えば、LaTeXはワードプロセッサではなく、組版システムです。このソフトはDonald E. Knuthが開発したTexという組版をコンピュータ上で実現する言語に元を発しています。LaTeXはLeslie Lamport によって1985年に初めて開発され、その後、LaTeX3 Projectによってさらに開発が進んでいます。

LaTeXはWordとどう違うのか?
LaTeXとWordは、Word PerfectとWord以上に根本的に異なります。Word PerfectとWordは双方とも「What You See is What You Get(WYSIWYG)-見た通りのものが結果に反映される」という典型的なワードプロセッサです。つまり、文書作成中に画面に表示されたものが、最終的に完成する文書とほぼ同じものです。それに対して、LaTeXは組版システムであるため、内容となる文章とスタイルが分離されているため、実際に入力しているものは最終的な文書の体裁とは非常に異なります。下の表に、LaTeXとWordで書かれたテキストの比較を示します。

Word LaTeXの入力
単純な数式
これは単純な数式の例:
E=mc2
\documentclass{article}
\title{単純な数式}
\begin{document}
   \maketitle
   これは単純な数式の例:
\begin{equation}
E = m c^{2}
\end{equation}
\end{document}

LaTeXがWordより優れている点は?
LaTeXはいくつかの点でWordより優れています。まず、LaTeXは無料で入手できます。理論的には、LaTeXの文書を準備するためにはどんなテキストエディタ(たとえば、MS NotepadあるいはWord)でも使うことができます。しかしながら実際には、LaTeX用に設計された専用エディタを使うほうが簡単です。これらのエディタは、無料、または安価に入手できます。
LaTeXのもう一つの利点は、内容と書式が分離されているため、執筆者は論文内容の執筆に専念でき、書式はあとで考えればよいことです。この方法はいくつかのメリットがあります。たとえば、ある特定のジャーナルのために論文を書いているとしましょう。その論文が書き上がった後、別のジャーナルに投稿することにしたとします。論文がWordで書かれていれば、論文の最初から最後まで目を通し、それぞれの要素の書式をマニュアルで変更していかなければなりません。それに対してLaTeXでは、求められるスタイルファイルを指定している文書内の1行のみを修正するだけで、ほとんどの書式変更ができます。さらに、LaTeX形式で原稿を受理するジャーナルのほとんどは、そのジャーナル用の適切なスタイルファイルを提供してくれるため、論文の投稿者はそのファイルをダウンロードするだけで済みます。

LaTeXのもう一つの大きな利点は、組版の質です。Wordの組版の質はほとんどの用途に十分なものですが、出版の専門的品質からは程遠いものです。それに比べて、多くの学術書籍はLaTeXファイルから直接出版されています。LaTeXは特に数式の書式設定に優れており、それが文書内に数式を多用する研究者の間で人気がある理由になっています。

LaTeXは文書中の数式、図、引用に自動的に番号を振ります。数式、図、あるいは引用を削除すると、LaTeXは自動的に番号を更新します。この機能は、短い論文を執筆する際大変役に立ちますが、本の章や学位論文などのような長文を書くときには不可欠なものです。

LaTeXはまた参考文献一覧の作成を単純化します。オプションのBibtex拡張パッケージは、自分のコレクションに含まれる論文データベースから、参考文献一覧を自動的に生成します。LaTeXと同様に、参考文献の書式設定は異なったスタイルファイルを使って簡単に変更することができます。

最後に、LaTeXは出力としてpdfファイルを生成しますが、これはWordの基本パッケージでは提供されません。

LaTeXがWordに比べて劣る点は?
ここまでに述べてきたことから判断すると、LaTeXが思ったほど人気がないことを不思議に思われるかもしれません。ですが、LaTeXにはいくつかの不便な点があります。最大の理由は、使いこなせるようになるまでにかなりの時間がかかることです。Wordの場合は、初心者でも使い始めてすぐに簡単な文書を作成することはそれほど難しくありません。一方、LaTeXでは、コマンドを学ぶために多少の努力が要求されます。これに関連した問題は、文書を「デバッグ」するための時間が必要なことです。重要な書式設定キャラクターの文字抜けというような単純ミスが、文書全体のコンパイルエラーという結果になってしまいます。ある意味では、LaTeXで作文するのは、ソフトウェアのプログラミング作業のようなものです。これは、多量の数式を含む複雑な文書の場合に特にあてはまります。

Wordに比べてLaTeXの使用者数が少ない理由は、そのほかにもいくつかあります。まず、すべてのジャーナルがLaTeXで書かれた論文を受理するわけではありません。また、LaTeXを使っている際に問題が発生すると、部署内でLaTeXを使っている者が自分以外いない場合、助けてくれる人を見つけることが困難なことです(もっとも、オンラインフォーラムが役立つかもしれませんが)。また、他の研究者と共同で論文を執筆している場合、LaTeXの使用は、共著者全員の共同作業が難しくなります。

WordとLaTeXのどちらを使うべき?
ということで、どちらのソフトが一番適しているのでしょうか。答えは、個々の著者のニーズによって決まります。研究者の多くにとっては、Wordで十分にこと足り、時間をかけてLaTeXの使い方を学ぶだけの必要性はありません。ですが、数式を多く含む大作を執筆する場合には、LaTeXを学ぶことが得策かもしれません。

関連のウェブサイト:
http://openwetware.org/wiki/Word_vs._LaTeX
http://www.andy-roberts.net/misc/latex/latexvsword.html
http://www.eng.cam.ac.uk/help/tpl/textprocessing/latex_advocacy.html
http://www.latex-project.org/

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