特集記事

- C.C., エディター

以前のニュースレターで、学術出版におけるオープンアクセスの人気の高まりと、この傾向に関連する懸念点を論じました。今回は、オープンアクセスが対応しようとしている長年の問題のいくつかに取り組むことを目的とした、学術出版におけるもう一つの大胆で新しいパラダイムを取り上げます。それは、掲載後査読(PPPR)という考え方です。

ご存じのように、査読は従来、論文が学術ジャーナルに投稿された後、依頼された査読者により掲載に先立って行われてきました。査読プロセスの長期化、バイアスの可能性、保守的傾向など、従来型アプローチの問題点はよく知られています(一部はある意見記事で論じられています)。

F1000Researchなどのプラットフォームや非従来型のジャーナルは、研究発表後に査読を行うこの新しいパラダイムを長らく先頭に立って推進してきました。PPPRには査読の依頼を行うものもありますが、多くはオープンピアレビューが採用されており、PPPRの支持者は、それによって透明性が高まり、査読の迅速化(および悪質な科学研究の撤回)が促され、発表された研究の査読と更新が即時かつ継続的に時間をかけて行われるようになると主張しています(PPPRに関するこちらの論評もご覧ください)。

PPPRは査読プロセスに待望の変革をもたらす可能性がありますが、悪用などの潜在的な問題も指摘されています。また、潜在的な問題に対する解決策は存在しますが、学術出版界では懐疑的であること、PPPRがまだ十分な評価を得ていないことが採用の妨げになっています。しかしながら、ある調査で示されているように歩みは遅いものの、近い将来、査読プロセスに変化がもたらされる可能性があります。

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