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- G.A., シニアエディター

ナショナルジオグラフィック誌のカメラマン、ジョエル・サルトル氏は、2005年、地球上の生物多様性を写真の形で残すPHOTO ARK(フォト・アーク)プロジェクトを立ち上げました。プロジェクトの目的は、絶滅する前に動物種を記録していくことです。

サルトル氏はこれまで40か国で、8000以上の種をカメラに収めてきました。その種本来の姿をとらえるために、被写体の大小にかかわらず、対象に接近して撮影する点に特徴があります。

PHOTO ARKプロジェクトでは、世界の動物園や野生動物保護区に生息する約1万2000種の撮影を目標に掲げていますが、真の目的は、地球上のあらゆる生物が脅威にさらされていることに注意を促すことです。プロジェクトでは書籍・写真の売上や寄付によって得た資金をもとに、絶滅が特に危惧される種の保存事業を経済的に支援しています。

地球の生物多様性が極めて深刻な危機に直面し続け、絶滅率が高まるなか、絶滅危惧種の保存に意識を向ける人が増えています。もし人類が種の保存に失敗すれば、PHOTO ARKは、永遠に失われた種に触れる数少ない手段のひとつになってしまうかもしれません。

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