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ピア・レビュー:「推薦査読者」にふさわしい人物とは?(続編)

- G.A., シニアエディター

以前「推薦査読者」についての特集記事でも取り上げましたが、投稿論文をピア・レビューできる査読者を提案するように、ジャーナルから著者に求められることがあります。提案された査読者をジャー ナルが必ずしも起用するとは限りませんが、ふさわしい推薦査読者を厳選することによって、確実に自らの投稿論文の分野に見合った専門家に査読をしてもらえるようにしたいものです。

推薦査読者の他に、投稿論文の査読者になってもらいたくない人物をリストアップするようにジャーナルから求められることもあります。特定の人物に自分の論文を査読して欲しくない理由というのはいくつか考えられます。 まず第一に、もしあなたの論文に未発表のデータや理論が含まれているとしたら、当該分野で似たような研究に携わっている別の研究者に、発表前の時点でデータにアクセスされるのは避けたいという理由。第二に、もしあなたの論文が既存の理論や概念を覆しかねないような新発見を提示するものだったら、既存の理論的枠組みの確立に寄与した研究者はあなたの発見の重要性を正当に評価しない可能性があるため、その人物は査読者としてふさわしくないという理由。最後に、 個人の性格というのも特定の人物を査読者として選んで欲しくない理由になり得ます。たとえばある研究者について、新しいアイデアに対して必要以上に批判的だったり、自分が使わない方法に関しては常にその妥当性を疑問視するような人物であるという評判があったとします。そのような場合、査読コメントに従って原稿の大幅なリバイズを求められる可能性を避けるためにも、その研究者をあなたの論文の査読者リストから外してもらえるようにリクエストする必要があるかもしれません。

推薦査読者を検討する際には、その査読者が査読のリクエストを受け取ったときにどのように反応するかを心配するよりも、査読者としていかにふさわしい人物かを考慮しましょう。ほとんどのジャーナルは査読者には著者が誰であるかが分からない「ブラインドレビュー」を行うため、著者が誰を査読者として提案したか、あるいは誰を査読者から外すようにリクエストしたかを知っているのは通常ジャーナルの編集事務局だけです。ピア・レビューは科学にとって必要不可欠なプロセスのひとつです。論文査読の依頼を受けて感情を害するような研究者はいないでしょう。もしその査読ができないのであれば、ジャーナルからの依頼を辞退すればいいだけの話です。あなたの提案した査読者が査読依頼を辞退した場合には、ジャーナルが他に査読者としてふさわしい研究者を選択します。その際、 著者が新たに査読者を提案するように求められることはありません。


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