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- G.A., シニアエディター

2020年は、感染病の大流行や政情不安に関心を持つ未来の歴史家によって詳細に研究される年になると思われます。一方、生物学者も2020年を振り返り、史上最悪級の山火事シーズンによって引き起こされた広範囲にわたる被害の長期的影響について研究することでしょう。

特に大きな打撃を受けたのはカリフォルニア州で、数百ヶ所で起こった火事と闘いましたが、そのいくつかは最終的にカリフォルニア州史上最大級の火事になりました。2020年現在、全体として、カリフォルニア州の総面積の3%以上が焼失しました。残念ながら、これらの火災の主な要因は気候変動であるため、将来の山火事シーズンに、今年と同等かまたは今年を上回る被害が起きる可能性があります。

環境および物的損害に加え、山火事により膨大な量の煙が大気中に放出され、米国西部とカナダの都市のいたるところで史上最悪の大気汚染が発生しました。その結果、増え続けるCOVID-19患者の対応ですでに窮地に立たされていた市民が、大気汚染により、呼吸器症状と脳血管疾患で入院する患者の増加をも経験することになりました。

社会科学者は、同時災害のストレスに市民がどのように立ち向かうのかを示す重要な指標として2020年を振り返ることでしょう。今年得られた教訓が未来の人々の災害のリスクを緩和し、災害によるストレスを管理するために役立つことを願います。

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