特集記事

- G.A., シニアエディター

裕福な起業家であるジェフ・ベゾス氏、リチャード・ブランソン氏、イーロン・マスク氏が多くの私財を宇宙探査の新技術に投じ続ける中、火星旅行実現への足がかりとして人類が再び月に降り立つ可能性に関心が高まっています。 民間宇宙旅行が現実のものとなりつつあり、人類が継続的に月面に存在することへの議論から、最初に月面探査を行った開拓者の歴史と遺産に関する問題が提起されています。

米国議会は2020年末、“One Small Step to Protect Human Heritage in Space Act”(「宇宙における人類の遺産を保護するための小さな一歩」法)を可決しました。同法は、月面での活動を申請するすべての個人または企業が、月の遺産を保護および保存するためにNASAが発行するガイドラインの遵守に同意するよう要求しています。これらのガイドラインは、アポロ11号の月着陸船や、人類が初めて月面を歩行した時の崩れやすい足跡など、月面に残されている重要で歴史的な遺産を保存することを目的としています。

同法は、初期探査の最も重要な遺跡を、月に再び降り立つ人間が起こすあらゆる騒動から保護します。さらに、これらの遺跡を「飛行禁止区域」として登録し、ロケットの排気によって起こりうる騒動や損傷から保護します。

月面の諸条件により、これら重要な遺産の大部分は何世紀にもわたりもとの状態のまま残ります。したがって、同法は人類が自ら人類の歴史を損なうことがないよう、さらに予防策を重ねるものです。

英語版はこちら