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- G.A., シニアエディター

2021年はパンデミックの年として記憶されることになりそうですが、米国在住の多くの人々は「セミの年」になると思って備えていました。数十億匹にも上る周期ゼミが、17年間の地中生活を経て集団発生する年なのです。

ブルードXと呼ばれるこの周期ゼミが米国東部で前回発生したのは2001年のことです。春の訪れとともに、間もなく広い範囲でセミが大量に発生し始め、5月から6月下旬まで続く見込みです。人間に害はありませんが、これほど大量の昆虫が周期的に発生することは住民にとって驚異的な光景であり、大型の昆虫を捕食する生物にとっては滅多にないご馳走になります。

米国東部には17年周期、13年周期のセミが生息しており、個体数はグレートイースタンブルードとも呼ばれるブルードXが最大です。このようなセミの周期的発生は米国固有種にしかみられず、自然の回復力の重要な象徴とされています。

地上でのブルードXは短命で、次の世代も17年間の地中生活を余儀なくされますが、周期ゼミによる短期的な激しい騒音と活動は、パンデミックも終わりに近づいているという希望を与えてくれるかもしれません。これらの昆虫は、パンデミックに我慢を強いられる日々からの解放を願う私たちに、その先に喜びが待っていることを思い出させてくれます。

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