特集記事

- K.J., エディター

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は最近、調査結果をまとめた報告書「Climate Change 2021: The Physical Science Basis」を発行しました。この報告書は、地球の現在と将来の気候変化に関する第6次評価報告書です。 約4,000ページの報告書には憂慮すべきデータが大量に含まれ、地球の未来についての予測がなされています。

報告書では、最後に測定が行われた2001年以来、人間による活動の結果、大気中の温室効果ガス(主に二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素)が増えたことが示されています。しかし、さらに憂慮すべきは、これらの温室効果ガスの影響により、将来複合的な極端現象(具体的には、熱波、干ばつ、洪水、火災などの極端な高温現象が同時に発生すること)がもたらされる可能性があることです。データから、これらの現象の発生頻度が増加していること、また今後も増加し続けることが示唆されます。これは、報告書を読んだ全ての人に対する警鐘といえます。

1901~1971年に比べて海面水位の上昇率が3倍になり、過去5年間の気温が1850年以降で最も高くなっていることから、国連は、この大惨事は「コード・レッド(非常事態)」であり、温室効果ガスの排出を大幅に削減しなければ解決できないとしています。もはや、気候変動の否定論者らも地球が直面している悲惨な未来を否定することはできず、一般市民も自分たちが地球に与えている影響を無視することはできなくなりました。

科学者たちはずいぶん前から、地球に対する脅威を理解していました。しかし、政府や一般市民は現実を受け入れて必要な変化を起こすことに時間がかかっています。この報告書により、日本を始めとした国々がクリーンなエネルギー源を取り入れ、気候変動に対する影響を低減して人類の未来を向上させる新技術への投資が推進されることを願います。

英語版はこちら