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- G.A., シニアエディター

気候変動が人間、そして地球上の無数の種にもたらす深刻な脅威への認識が高まる中、気候関連の研究に充てられる研究費は増加しています。 再生可能エネルギー源から主要作物のレジリエンス強化まで、人類は温暖化が進む地球に適応するための新しく興味深い手法の調査に資金を投じています。

しかし残念なことに、ベルリンにあるグローバルコモンズおよび気候変動に関するメルカトル研究所のメンバーが率いるチームが最近Nature Climate Change誌に発表した調査では、世界中の気候変動の影響に関する研究対象に格差があることが指摘されました。

具体的には、先進国における気候変動の影響に関する研究が,発展途上国における気候変動の影響の研究より数多く出版されていることが分かりました。この格差は、研究が進んでいない地域に多くの人々が住んでいることを考えると特に憂慮すべきことです。本質的な研究が不足しているため、脆弱な生態系が見落とされている可能性も懸念されています。

気候危機の高まりにより、地球上のどこに住んでいようとも人類が皆ひとつの環境を共有していることを改めて認識させられます。ある地域における発展や変化は、地球全体に影響を及ぼします。したがって、気候変動の影響に関する研究や被害を軽減するための取り組みは、世界のすべての地域を対象とし、経済的に豊かであるか否かに関わらず、すべての国を代表する研究者の協力を得て行なうことが不可欠なのです。

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