特集記事

- K.J., エディター

犬は家畜の番をしたり、人間の話し相手になったり、障害のある人が健康で独立した生活を保てるように力を貸したりして、常に人間を助けてきました。犬は可愛いらしく人に幸福感を与えるだけでなく、最近では人間の病気の研究にも深く関わり始めています。しかし、なぜ犬なのでしょうか?その理由は、人間の鼻の嗅覚受容体が600万個であるのに対し、犬の鼻には3億個もあるからです。訓練を積めば、犬は癌、糖尿病、結核、そしてマラリアのにおいさえも嗅ぎ分けることができるのです

2020年以降、科学者は人の新型コロナウイルス感染症を検出する確実かつ有効な方法を研究していますが、迅速抗原検査はウイルス量が少ない人では検出の信頼性が低く、PCR検査は高価で結果が出るまでに長時間かかる場合があります。したがって、より迅速で精度の高い検査方法が必要となります。

そこで犬の登場です。犬は人の新型コロナウイルスの検出に非常に長けています。PLOS One誌に掲載されたある研究では、訓練された犬は、335検体の人の汗からPCR検査によって事前に検出されたコロナウイルス例のうち97%を特定することができ、192例の無症状の被験者群から陽性31例をもすべて検出することができたと報告されています。この方法は鉄道の駅や学校などの混雑する場所や、従来の検査方法では高くて時間がかかる場所で非常に効果的であると思われます。

PCR検査や迅速抗原検査を受けなければならない時に感じる不快感や不安と違って、犬は落ち着きや幸福感を与え、検査を明るい体験にしてくれるでしょう。この方法はさらに研究が必要であり、犬の訓練にも時間がかかるかもしれませんが、紛れもなく名案です。犬はこれまでも、そしてこれからも常に人に対して良い影響を与え続け、私たちの親友と呼ばれるにふさわしい存在なのです。

英語版はこちら