特集記事

- K.J., エディター

日本では、自宅のごみを出す際に多くの人がごみ箱に動物よけの対策をして、ごみを荒らされないようにする必要があります。特に、カラスは知能が高く、その侵入を防ぐことは困難です。 日本人の鳥類学者、樋口広芳博士は最近の自身の著書、『ニュースなカラス、観察奮闘記』で、くちばしを使って水飲み場の栓を回して水を飲み、水浴びをする方法を覚えた、横浜市の公園に現れる雌のハシボソガラス「水道ガラス」について考察を述べています。

高い知能を示す鳥類は他にもいます。オーストラリアおよびニューギニア原産のキバタン(Cacatua galerita)です。キバタンは大型の白色オウムで、大きな群れで生活することが多く、近距離では我慢できないほど騒々しい鳴き声を立てます。時とともに、キバタンは人間と食べ物を結びつけるようになりました。その結果、深刻だけれども愉快な「アイデア導入競争」が人間とオウムとの間で繰り広げられることになりました。

シドニーやその他の地域では、住民がごみ箱にごみを入れた途端にキバタンが現れます。ごみを取られまいと、住民はごみ箱の上にブロックや大きな石を置いたり、フクロウの像を使ってキバタンを近寄らせないようにしたり、他にも様々な策を講じて努力しています。2021年、ドイツのマックス・プランク動物行動研究所の生物学者、バーバラ・クランプ氏率いる研究チームは、キバタンがごみを入手するために用いる新しい技について説明しています。キバタンはブロックや石を地面に落とし、くちばしを使ってごみ箱の蓋をこじ開け、蓋を頭で支えると蝶番で完全にパッと開くまで蓋を後方に押すのです。この光景は周辺地域でも見られることから、キバタンはこの技を共有しあっています

カラスもそうですが、人間がより革新的で賢明な方法を考え出しオウムを本来の居場所でないところから追い出そうとするたびに、オウムは必ず私たちの裏をかいてきます。これは行動における進化の興味深い例です。最終的な勝者は人間と鳥のどちらでしょうか?

英語版はこちら