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- K.J., エディター

食事が生活の質に及ぼす影響は、日本だけでなく世界中で公衆衛生上の主要な関心事となっています。そのため、私たちが食べる食品の種類や量がどのように健康に影響を及ぼすのかを評価するために、広範な研究が行われています。 ここでは、私たちの食生活で一般的になった食品のうち、特に超加工食品について見ていきましょう。

超加工食品とは、食物由来の物質に着色料や香料などの人工的な添加物を加え、保存性や見た目を改良している製品を指します。例としては、ソフトドリンク類、インスタント麺、朝食用シリアルなどが挙げられます。これらの製品は、加工度が低く健康的な食品と比べて見た目や味が良くなるように改変されており、強い欲求、さらには依存症を招くこともあります。

また、超加工食品には塩分、砂糖、脂質が多く含まれる傾向があり、超加工食品と肥満、2型糖尿病、心疾患との関連が示されています。がんのリスクについてはどうでしょうか。2023年に発表されたインペリアル・カレッジ・ロンドンによる縦断研究では、超加工食品の多量摂取とがん全体、特に卵巣がんと脳腫瘍との関連が示されました。

さらに、こうした食品の摂取は、脳の健康にも影響を及ぼす恐れがあります。2022年に『Neurology』誌に発表された研究では、超加工食品の1日の摂取量が10%増えるごとに、認知症のリスクが25%上昇することが明らかになりました。今後も超加工食品の摂取と関連した健康への悪影響が報告されることは間違いありません。私たちの健康を改善するためには、社会的な認識を高め、健康的な食事を推奨することが必要になっていくでしょう。

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