特集記事

- G.A., シニアエディター

人類が数千年前から考えをめぐらせてきた根本的な問題の1つは、地球上の生命がいつどのように発生したのかということです。東京大学小宮剛博士が率いる研究チームが9月、地球上に生命がどのくらい長く存在しているかを明確にする鍵となる重要な発見を発表しました。

カナダのラブラドルで採取された古代の岩石の調査から、同研究チームは39.5億年以上前に生存していた生命体が作った微量の有機物を発見しました。この発見は、Nature誌9月号でLetterとして発表されました

これらの古代の岩石に含まれる微量の有機物を作った生命体の正体は不明ですが、同研究チームは解明の手がかりを求めて岩石の含有物の調査を続けています。これらの生命体の物理的な特徴がどのようなものであったとしても、私たちの惑星の歴史において非常に初期に生存していたことを考慮すると、現在の地球上の驚異的な生物多様性に至る生命の連鎖の最初の輪といえます。

今回の発見により、地球上に生命が出現した時期が、地球そのものが形成された時期にさらに近づく可能性があり、私たちの惑星の激動の時期に生命が生まれて生き抜くことができたことが示唆されます。そのような過酷な状況で生命が出現したという知識を踏まえて、私たちは今日存在するあらゆる形態の生命の保護についてさらに気を配らなければなりません。

英語版はこちら