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- G.A., シニアエディター

以前に紹介したように、宇宙研究に発展途上国を参加させようという強い政治的な意向があります。2017年7月、ガーナモンゴルバングラデシュの3か国がそれぞれの国で初となる人工衛星の地球低軌道への打ち上げに成功しました。

これらの人工衛星はCubeSatと呼ばれる小型の装置で、研究者が低費用で地球周回軌道に高性能の科学的ツールを配置することを可能にします。

九州工業大学の支援を受けてこれら3か国の科学者が製造した人工衛星は、国際宇宙ステーション(ISS)内の日本の実験棟「きぼう」から軌道に投入されました。これらの人工衛星は小型ながらも高性能で、宇宙線の測定から海岸線の地図作成に至る様々な分野における重要な研究を地球上の科学者が実施することを可能にします。予想されるように、これらの人工衛星はそれぞれの母国に利益をもたらす研究を実施する目的で設計、製造されています。しかし、他のどのような科学的な試みとも同様に、ガーナ、モンゴル、バングラデシュの科学者のデータや発見が世界中の科学者に恩恵をもたらす可能性があります。

ペイロードを軌道に投入するコストは低下を続けており、人工衛星に組み込まれる部品のサイズや価格も減少しているため、宇宙研究を開始しようとしている国々にとって絶好の時期が訪れています。日本の宇宙研究が成功を続けていることを考慮すると、日本の各機関と海外研究者との間の共同研究で成果が得られていることに驚きはありません。発展途上国が宇宙研究に参加するという夢を達成できるために日本が支援を続けることができれば、予想外の国が行った最先端の宇宙研究が世界に恩恵を与えるようになるかもしれません。

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