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- G.A., シニアエディター

社会に役立つ技術は、多くの場合、企業や大学における研究活動の成果として生まれたものです。近年の大学の研究費を削減しようとする傾向に伴い、学術研究が技術の進歩に与える影響や、研究費を削減した場合に想定される結果に関心が高まっています。

2017年4月、ロンドン大学教育研究所は、カリフォルニア大学リバーサイド校のスティーブン・ブリント教授を招いてセミナーを開催しました。ブリント教授は、米国の主要大学における研究成果と、1955年から2005年の間に開発された50の最も重要な技術に学術研究が与えた影響について発表しました。ブリント教授のセミナーの音声とスライドは、世界高等教育センターのウェブサイトで公開されています。

ブリント教授によると、これら50の最も重要な発明のうち40%は学術研究者が直接関与しており、60%は公的研究費の助成を受けています。また興味深いことに、大学と企業は研究資金や人材を奪い合うのではなく、連携して研究センターを設立し、重要な発見を実用化し製品やサービスにして市場へ導いているのです。

世界的に研究助成金は予算削減の対象になりやすくなっています。しかしブリント教授が指摘するように、公的助成を受けた研究が私たちの生活に直接影響を及ぼす可能性があることを考えれば、研究費は決して無駄な支出ではないと言えるでしょう。

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