
2016年も終わりに近づき、そろそろ来年のことを考える時期になりました。国連 (UN)は2017年を「開発のための持続可能な観光の国際年」と定めています。この国際年は、2016年1月1日に発効した国連の「持続可能な開発目標」と密接に関連しています。
国連世界観光機関 (UNWTO)は、観光産業が経済成長、社会開発、および環境保全にもたらすプラスの効果を積極的に推進しています。UNWTOは、観光が諸国民の相互理解、文化的相違の認識、および世界平和などの増進を含め、様々な好影響をもたらすと認識しており、国連は2017年の「開発のための持続可能な観光の国際年」を契機に、観光の有益性を活かして、貧困、経済開発、環境保全の問題に対する取り組みの強化を促したいと考えています。
観光は脆弱な生態系や文化に壊滅的な影響を及ぼす可能性がある一方、慎重なアプローチに基づいて進めることで、低開発地域が急成長する観光産業から経済効果を享受することが可能になります。また、持続可能な観光への取り組みは、地域固有の脆弱な生態系の保全が長期的な経済的利益につながることを啓発することにより、短期的な経済的利益を得るための環境利用を抑制し、かけがえのない自然を保護して次世代に伝えるために必要な資金を確保することができます。
2017年の「おすすめの旅行先」がどの島や都市になったとしても、来年旅行に行く人は、自分の旅行が目的地にプラスとマイナスの影響を与え得ることを考えてみてはいかがでしょうか。国連は、持続可能な観光への関心を高めることで、現地の人々の魅力や景観の美しさを将来の世代に引き継ぐことができると期待しています。