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2014年9月24日、インドが「マーズ・オービター・ミッション」(MOM)の名のもとに打ち上げた宇宙探査機が、火星軌道に無事到達しました。これによってインド宇宙研究機関は 火星に探査機を投入することに成功した4番目の宇宙機関となりました。宇宙探査機を打ち上げ、機能している状態を保ち、地球から火星まで約5,500万キ ロに渡って操縦すること自体、祝福に値する技術的快挙と言えますが、世界をさらに驚かせたのはインド宇宙研究機関が低コストでこの事業を成し遂げたということでした。報告によると、MOMに費やされた総事業費は約7,500万ドルとのことで、人類が火星探査を始めてからこの方、最も低コストで遂行された惑星間飛行になります。

宇宙飛行や惑星軌道への物資輸送にかかるコストは、宇宙探査の規模を広げていく上で常に障害となってきました。しかし、今回MOMによって示されたように、努力をすれば費用の削減は可能だということです。インド宇宙研究機関は低コストの要因として、ペイロードの軽量化、地上試験の回数の制限、そしてこのミッションに参加している科学者たちの長時間労働を挙げています。

米国では宇宙飛行に携わる民間企業が成長しています。これらの企業は新たな技術開発・運用に成功しており、NASAは国際宇宙ステーションへの乗員輸送に、スペースX社が開発した宇宙船を利用することを決定しました。