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- G.A., シニアエディター

気候変動が絶滅の恐れのある種に及ぼしている強烈な圧力により、生物多様性の損失に関する懸念は高まりつつあります。種は毎年絶滅しており、損失の速度は高まってきています。 一方で、オーストラリアの科学者たちにとって喜ばしい発見がありました。一度は絶滅したと考えられていた種が実際にはまだ生きていたことが確認されたのです。

オーストラリアのロード・ハウ島に生息していたロードハウナナフシ(Dryococelus australis)は、船によってもたらされた侵略的なクマネズミからの負荷が原因で、1920年頃に絶滅したと考えられていました。しかし、2001年に近くの小さな島で生き残りと考えられる個体群が発見されました。

Current Biology誌に2017年10月に発表された研究では、その発見された昆虫が、よく似ているが異なった亜種ではなく、かつてロード・ハウ島に生息していたのと実際に同じ種であることが確認されました。

科学者たちは、クマネズミなどの侵略的な外来種を根絶してロードハウナナフシを再導入することによって、ロード・ハウ島を以前の状態に戻すことを長い間夢見てきました。これらの新しい発見は、この再導入が実行された場合に、ロード・ハウ島が人間の干渉以前の姿に近づくだけではなく、ロードハウナナフシが故郷へ戻ることも意味しています。

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