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- G.A., シニアエディター

毎年この時期、季節性アレルギー患者は空気中の花粉やほこりをできるだけ避けるように気を付けます。花粉との接触を避けられない人は鼻水や目のかゆみなどの症状に悩まされることになります。 辛い症状に悩まされる中で、季節性アレルギーによる不快症状を防ぐ方法を科学者たちが見つける日が来るのだろうかと思っているアレルギー患者も少なくありません。

アレルギー反応は、私たちが生まれつき持っている免疫系が環境中にある何かに対して過剰反応した結果発生します。アレルギー患者はアレルギーの原因を避けることを重視しますが、科学者たちは体内のアレルギー反応を低減、さらには消滅させる可能性を調べています。

2018年1月、デンマークにあるオーフス大学の研究チームは、アレルギー反応を阻害する可能性のあるメカニズムに関する研究から有望な結果を報告しました。Nature Communicationsに発表されたその論文では、026 sdabと名付けられた新しい抗体の働きが報告されています。この抗体は、アレルギーの主な原因である免疫グロブリンEの作用を抑制します。この研究チームは026 sdabがアレルギー反応が発生することさえも防ぐことができたことを確認しました。

この抗体を人間で試す前にはさらなる研究が必要となり、治療として市場で発売できるようになるまでには詳細な安全性試験の実施が必須となりますが、世界中のアレルギー患者はいつかアレルギー症状から解放される日が来るかもしれないという希望を持つことができます。

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