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- G.A., シニアエディター

環境保護運動によって、人類が地球に及ぼす影響に関する意識は著しく高まりました。過去数十年にわたり、リサイクル、自動車の排気ガス、森林減少が注目されてきました。 最近では、海洋や海岸に膨大なプラスチック廃棄物が堆積していることから、プラスチックが海洋生態系にもたらす深刻な脅威について警鐘が鳴らされました。2018年4月、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者らは海洋のプラスチック汚染に関する30年間におよぶ調査データを公表しました。

Marine Policyに掲載されたこの研究は、プラスチック廃棄物が地球の最も深い深海で頻繁に見られるようになっていることに注目しています。憂慮すべきことに、太平洋北西部のマリアナ海溝の水深1万898メートル地点でビニール袋が見つかったといいます。

プラスチック廃棄物の量とそれが繊細な海洋環境に及ぼす影響に関する進行中の調査を後押しするため、研究者らは海底のプラスチック廃棄物の位置データベースを作成しました。データベースでは5000回を超える深海への潜水で収集されたデータが利用でき、廃棄物の位置と種類、および写真が含まれます。

深海に踏み入ることのできる人など、ほとんど存在しません。遠く離れた深海にたどりつくゴミやプラスチック廃棄物は、人間活動に由来するものの、視界に入ることがないため気にならないかもしれません。しかし、この重要な研究のおかげで、一般人でも地球上で最も遠い場所に堆積するゴミを目で見て、変化を追うことができます。

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