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- G.A., シニアエディター

医療における大きな進歩は、世界中で生活の質を向上させる機会だけでなく、研究結果を実世界で応用できる企業に大きな利益を上げる機会も提供します。血液検査に革命をもたらすことを約束し、何千万ドルもの投資を受けたベンチャー企業が、つい先日、一連の疑惑騒動後に解散しました。

2003年に創設されたセラノス社は、すぐにベンチャーキャピタリストたちの間で時代の寵児となりました。わずかな量の血液から自動的に血液検査を実施できる技術を開発するという同社の約束は、大きな関心を呼びました。企業価値は急上昇し、2010年には100億米ドルにまで達しました。しかしながら、同社は約束した技術を開発することはできず、最終的には共同出資者や投資家に告訴されました。十分な収益を上げることができず、詐欺疑惑をかけられた同社は、2018年8月末で正式に解散しました。謎めいた創業者、莫大な資金、そしてセラノス社の解散をめぐる人々の関心は、ハリウッド映画にうってつけの題材となりそうです。

セラノス社の華々しい躍進と劇的な失墜が研究者と投資家に教訓として残る一方で、同様の技術に対する関心も強く残ります。研究がもたらす健康上や金銭上の潜在的利益を考えると、セラノス社規模のスキャンダルがあってもその関心がそがれることはないでしょう。

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