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- G.A., シニアエディター

ハイチ共和国は、カリブ海に浮かぶ西半球で最も貧しい国の一つです。ハイチの人々は、経済的な困窮に加えて、地震やハリケーンなどの自然災害に苦しめられてきました。自然災害によるダメージや急激な人口増加によって森林破壊や農業活動が進み、この国の生物多様性に圧力がかかっています。

生物多様性への脅威は認識されており、脆弱な地域を保護する努力がなされてきました。2015年、ハイチ政府は、Grand Bois国立公園を設立しました。しかし、政府は財政難で1,200エーカー(約4.8平方キロメートル)の公園を保護するのに十分な資金を割り当てることができず、土地は私有地のままでした。

2019年のはじめ、米国の環境NGOグローバル・ワイルドライフ・コンサベーションレインフォレスト・トラストからの民間資金のおかげで、土地の購入が完了しました。この新たなGrand Bois自然保護区は、ハイチで最初の民間自然保護区であり、政府による管理は、支援を行う非営利団体からの追加資金で支えられることになります。Grand Bois自然保護区の創設は、発展途上国であっても十分な資金援助を受ければ脆弱な環境の地域を保護できることを実証するものです。

この自然保護区は、ハイチにとって重要であるだけにとどまらず、世界で最も重要な両生類の生息地の一つと見なされています。ここで行われた調査研究からは、計り知れないほどの知見を得ることができ、その知見は、世界中の両生類個体群の減少を遅らせるのに役立つ可能性があります。

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