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- G.A., シニアエディター

人間が野生生物と直接ふれあう最も簡単な方法の1つが、街なかで見かける鳥への給餌です。野鳥への給餌は世界中の家庭で好まれている活動で、野鳥が冬を越す助けとなり、危急種個体の健康を全般的に改善することが知られています。

科学者たちはこの娯楽の影響を生態学的観点から調べており、野鳥への給餌と関連する社会人口学的な要因についても検討しています。また一方、米国の研究チームが最近、鳥への給餌が人に与える感情的影響と行動的影響に関する調査結果を発表しました。

People and Nature誌に発表されたこの研究では、オンライン調査を利用して、餌台で観察した野鳥に対する給餌者の反応や、餌台でさまざまな出来事を目にしたときの感情的反応、鳥に餌をあげようと決めたときに最も重要と感じた要因、給餌が自宅周辺の自然に及ぼしていると思われる影響についてのデータを集めています。研究者の報告によると、鳥に餌をあげている人は、自分が置かれている環境の状態に対して行動的反応を引き出すような、強い感情的反応を経験していました。さらに、野鳥への給餌行為は、自然観察や地域生態系のダイナミクスに対する意識と結びついていることが分かりました。

これらの研究報告が示すように、鳥への給餌は受け身の活動ではありません。人が自然とふれあう機会をもたらし、環境に対する見方や接し方にも影響する可能性があるのです。

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