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- G.A., シニアエディター

2019年10月末、NASAおよび米国海洋大気庁の研究者チームは、地球の南極上空のオゾン層に空いた穴(オゾンホール)が1982年に観測されて以来最小になったと報告しました。

オゾンホールの大きさは衛星から監視され、また地上の研究者らは気象観測気球を打ち上げて様々な高度における大気中のオゾン濃度を測定しています。宇宙から観測されるオゾンホールが小さくなったことに加え、研究者らは大気中にオゾンが全く存在しないエリアは見つからなかったと報告しています。

オゾンの研究者らは、このオゾンホール縮小について直ちに、南極上空の大気の温暖化によるものだと説明しましたが、一方で、オゾン層を破壊する化学物質の排出を減らすためにとられた施策なしにはここまで縮小することは不可能だったであろうことに留意する必要があります。

現時点では、地球のオゾン層への脅威が終結したと断言することは出来ません。しかし今回観測されたオゾンホールの縮小は、地球規模の協力によって達成された前向きな結果を示すものです。他の環境問題に対しても同様の取り組みができれば、居住可能で健全な環境を次世代に継承できるかもしれません。

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