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学術研究の共通言語としての英語の役割



- G.A., シニアエディター

学術研究者と言われて頭に浮かぶのは、研究室やコンピューターの前で一人黙々と作業する孤独な姿かもしれません。しかし実際のところ、学術研究とは、同僚の研究者たちとの丁寧なコミュニケーションの上に成り立つ共同作業なのです。ジャーナルへ投稿するために学術論文を一本準備するにしても、どうしたら方法を明確に記述することができるか、データからどのような結論が導き出せるか、共著者同士が数週間、時には数ヶ月間にわたって情報やアイディアを交換するのはよくあることです。さらに研究チームの国際化が進み、同じチームの研究者同士が何千キロという距離をまたいで英語でやり取りする時代になりました。

論文の共著者間のやり取りにおいてはアイディアの交換が主な目的であるため、英語の質が決定的な重要性を持つことはありません。しかし、質の高い英文や改まった文体の英語が求められるケースもあります。例えば海外の施設に共同研究の可能性について打診する場合や推薦状を書く場合、国際学会へ出席していただいた方へお礼のEメールを送る場合など、高いレベルの英語が要求される局面は多岐にわたります。

英語論文の質を高めることに重きを置くあまり、それ以外にも質の高い英語が不可欠とされる場面があることを見過ごしてはいないでしょうか。アメリカ在住の目上の研究者にEメールを送るとき、または所属する研究室のブログを英語で配信するようなときに、意図するところが確実に読み手に伝わる質の高い英語に仕上げるため助言を求めることは、決して恥ずかしいことではありません。科学コミュニティーの国際化は日々進んでいます。優れたコミュニケーターであることは、海外の同僚たちとの強力な関係を築く手助けとなり、貴重な研究の機会をもつくりだす鍵となり得るのです。

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