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論文投稿の際、なぜカバーレターは重要なのか?


- G.A., シニアエディター

ジャーナルへの投稿論文を準備する際、著者の多くは文章や図や表にばかり目を向け、カバーレターにはあまり注意を払いません。しかし、編集者が最初に目にするのがカバーレターです。論文原稿そのものに比べると、カバーレターはさほど重要ではないと思うかもしれませんが、実は論文投稿時には欠かせないものです。

言うまでもなく、カバーレターは投稿論文のなかでも編集者が最初に目にするものです。したがって、カバーレターではこの論文がどう扱われるべきなのかという重要な情報を伝える必要があります。たとえば、ジャーナルの特別号向けに投稿するのなら、その旨をカバーレターに記載すべきです。また、自分の論文原稿が特定の投稿書式(たとえば症例報告や編集者への手紙など)になっている場合、その旨をカバーレターに明記しておけば、原稿は確実に編集部で適切な扱いを受けるでしょう。

最近では、カバーレターに関する具体的な要求を論文の「投稿規定」に盛り込むジャーナルも増えています。したがって、カバーレターに編集部が必要としている情報が確実に含まれているか、「投稿規定」を注意深く確認しなければなりません。必要な情報が抜けていた場合、論文原稿は査読されずに戻される可能性があります。 昨今、最もよく見受けられるのは、その研究が過去に(いかなる形式であれ)発表されたことがあるかどうか、また研究資金の調達方法はどういったものかを明言するよう求めるジャーナルです。なかには各著者がその研究にどのように貢献したかを示す必要があるとするジャーナルもあります。

最後に、カバーレターとは、論文に関する特別な情報を記載すべき場所、また生じる可能性のある問題点に注意を向けさせるべき場所でもあります。たとえば、 その論文にただちに公表すべきと考えるデータが含まれている場合、より早く査読工程に回してもらえるよう、編集者に対してアピールすることもできます。また、利害の対立が生じる可能性があることから、ある特定の査読者に自分の研究を査読してほしくない場合、その旨をカバーレターにはっきりと記載するべきです。

次回、投稿論文を準備する際は、くれぐれもカバーレターの重要性を過小評価しないようにしましょう。優れたカバーレターを作成することにより、皆さんの論文が編集者から最良の扱いを受けるようにすることができるのですから。