特集記事

- G.A., シニアエディター

学術情報が増え続ける中、研究の進歩を促すために膨大な量のコンテンツにアクセスする必要性が高まっています。しかし研究者の多くは、コンピューターやスマートフォンなど複数のデバイスから所属大学のネットワーク外にあるコンテンツへアクセスしにくいと感じています。 IPアドレス認証ベースでのアクセスは十分に機能しなくなってきているため、学術リソースへのアクセスの改善を目的とした共同ニシアチブ「Resource Access for the 21st Century」(RA21)は、シンプルかつシームレスで安全な学術情報リソースへのアクセス方法を模索してきました。

このアクセス改善のニーズに対する答えの1つが、現代型情報アクセス法のSeamlessAccess.orgです。RA21プロジェクトのガイドラインに基づき構築されたSeamlessAccess.orgは、学術コラボレーションツールや情報リソース、また共用の研究インフラを利用し、オンラインアクセスを合理化します。コンテンツプロバイダー、リソースプロバイダー、サービスプロバイダーの間で共有される情報を組織的に管理し、個人情報やプライバシーも保護します。

出版業界では初めてSpringer Natureが、ユーザーエクスペリエンスの向上や研究者などのユーザー向けサポートの強化を目的とし、RA21が提案する方法やSeamlessAccess.orgのサービスを取り入れます。研究者は、各出版社や組織のコンテンツ間をシームレスかつ直観的に移動でき、その間一貫したユーザーエクスペリエンスを得ることができます。デジタル時代において学術出版業界は進化し続けており、シームレスなアクセスに向けたこの動きは、学界や研究コミュニティによる情報の発見、使用、共有を確実に促進していくはずです。

英語版はこちら