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- A.P., エディター

大手製薬企業は、従来、研究開発(R&D)を社内で行っていました。一企業が単独で研究開発を行う、統合型R&Dがこれまでの製薬業界の特徴でしたが、それでは必要性の高い医薬品を市場に出すという課題に効率的に対応しきれなくなっているのかもしれません。 世界の処方薬市場が2020年までに約1.1兆ドルに到達すると予測されている中、製薬業界のR&Dでは、競争力を維持するための戦略として、オープンイノベーションやアウトソーシングなどへの関心が高まっています。

製薬企業が利用している戦略の1つにクラウドソーシングがあります。これは世界中にいる大勢の専門家に依頼して複雑な問題を解決する方法です。このような問題解決に対する集団的アプローチは、知識の統合だけではなく、間接費の削減や新たな技術へのアクセスにも役立ちます。

もう1つの例は、日本医療研究開発機構(AMED)のウェブサイトに掲載されているような創薬研究計画案の公募です。オープンイノベーションを促進し、大学、研究機関、R&Dに力を入れているその他の組織との間の連携を強化させるため、AMEDのウェブサイトには公募情報が掲載されています。このような研究計画案の公募を通じて、製薬企業は、既存の統合型R&D企業に属していない研究者からの貴重なアイデアを受け入れ、新薬開発において競争力と機敏性を維持したいと考えています。

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