- G.A., シニアエディター
出版された学術文献の重要な特徴の1つは、特定分野における進歩が永久的に記録されたと見なされることです。歴史的には、製本された学術誌のコピーが世界中の図書館に所蔵され、知識が火災や洪水などの局地的な災害から守られてきました。 しかし、オンラインジャーナルの普及により、オンラインジャーナルがオフラインになった場合に公開された研究はどうなるのか、という問題が生じています。
オンラインジャーナルは物理的なコピーがないため、個々の出版物が廃刊された場合、または出版社そのものが廃業した場合、アクセスが失われるリスクがあります。そうした状況になった場合の影響について長らく議論されてきましたが、正式な調査は最近まで行われていませんでした。
2020年9月、フィンランドのハンケン経済大学のある科学者が主導した欧州の研究グループが、2000～2019年にかけてウェブ上から消失したオープンアクセスジャーナルに関する調査のプレプリントを発表しました。研究者たちは、廃刊となり、適切にウェブアーカイブされていなかったために掲載コンテンツが行方不明になっている176誌を特定しました。
オンラインジャーナルは低コストでグローバルなアクセスが可能であることから、人気が高まっています。その点を考慮すると、すでに廃刊された学術誌や、倒産した出版社に公開されたコンテンツを含め、オンラインジャーナルで発表された研究に将来の科学者が引き続きアクセスできるよう適切な措置を講じることが重要です。
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