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- G.A., シニアエディター

オープンアクセスの拡大を推進しているのは、著者や読者だけではありません。主要な研究助成機関もまた、オープンアクセス出版物の増加に大きな役割を果たしています。先日、ハワード・ヒューズ医学研究所は、科学者が研究論文をどこに投稿するのか、また学術誌が受理論文をどのように扱うのかに影響を与える重大な発表を行いました。

ハワード・ヒューズ医学研究所は世界第2位の医学研究財団であり、2019年には4,000人以上の科学者に7億5,000万ドルを超える支援を行いましたビル&メリンダ・ゲイツ財団に続き、ハワード・ヒューズ医学研究所が発表した出版物に対する新オープンアクセス方針では、同研究所から助成金を受けたすべての研究成果を、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下、論文の刊行日に即日無料公開する学術誌に発表するよう求めています。この新しい方針はプランSの要求に基づき策定されました。

ハワード・ヒューズ医学研究所の新方針は2022年1月1日に発効、追加料金を支払う著者にオープンアクセスを提供する一方で他のコンテンツへのアクセスは有料とする「ハイブリッド」ジャーナルには、オープンアクセス料を支払わないと同研究所は述べています。プランS同様、これによって学術誌や出版社に対し、オープンアクセスのコンテンツ拡大への圧力が高まります。

ハワード・ヒューズ医学研究所の助成金の規模と助成を行った研究件数を考えると、すべての学術出版社は、画期的な研究になりうる論文を発表するチャンスを逃さないために、この新方針を意識しなければなりません。

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