- G.A., シニアエディター
学術研究誌を発行する大手非営利オープンアクセス出版社のPLOSは、オープンアクセス出版の先駆者であり、オープンアクセス・メガジャーナルであるPLOS ONE の創設者です。PLOSの取り組みのおかげで、今日の研究者たちはオープンアクセスジャーナルで論文を発表するプロセスに慣れ、また、査読を受けて発表された無数の論文を読む機会を手にしています。
PLOSや主要な助成機関の試みが少なからぬ影響を与え、オープンアクセスは研究コミュニティにしっかりと定着しました。しかし、オープンアクセスの拡大は順調に進んできたものの、いくつかの問題が明らかになっています。問題の1つは、オープンアクセスジャーナルに受理された論文の著者に掲載料が課されることです。オープンアクセス出版が研究者に与える潜在的な経済的負担を軽減するため、PLOSは自社のオープンアクセスジャーナルの一部で、新しい価格決定モデルを試験的に導入しています。
PLOSは、コミュニティ・アクション・パブリッシング・プログラムの一環として、タイトルページに掲載される著者らが示したすべての所属機関に、掲載料をより平等に割り振ろうと試みています。さらに、PLOSは個々の機関に対し、年会費を支払うことでPLOS BiologyとPLOS Medicineに無制限で論文を出版できる定額制の契約締結を持ちかけています。年会費を支払う機関を数多く確保することで、PLOSはこのプログラムをより低価格ですべての機関に提供できるようになると期待されています。
こうした取り組みの長期的な影響については見守ることしかできませんが、論文の出版費用の削減は研究者にとって有益なことです。このプログラムの評判が良ければ、PLOSが発行する学術誌にとっても安定収入が確保され、個々の著者から徴収する掲載料収入の変動の影響を受けにくくなるため、財政的なメリットになると考えられます。
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