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- G.A., シニアエディター

2020年11月、大手学術出版社のシュプリンガー・ネイチャーは、著者がネイチャー関連誌に完全なオープンアクセスで研究成果を発表できる待望のプログラムを発表しました。2021年以降、このプログラムにより、現在これらの学術誌が採用している購読型の出版モデルに代わる選択肢が著者に提供されます。

NatureScienceなど、読者が講読料を支払って閲覧する主要学術誌の出版社は、オープンアクセスの拡大を求める科学者からの要望に対応するという課題に直面しており、プランSの発表以来、オープンアクセスを提供するための様々な方法を検討してきました。しかし、これらの学術誌は読者数が多いことに恩恵を受けているため、読者へ無料アクセスを提供しながら収益を維持するという困難な課題も克服しなければなりません。

個々の学術誌の収益性を維持するという課題は理解できますが、シュプリンガー・ネイチャーの新しいプログラムを心待ちにしていた多くの研究者は、オープンアクセスのオプションが高額であることに落胆しました。論文掲載後すぐに読者が無料で閲覧できるようにするために、著者は9500ユーロの掲載料を支払うことになります。当然のことながら、この掲載料は裕福でない国の著者にとって論文の発表を妨げる潜在的な障壁になると非難されています

シュプリンガー・ネイチャーの新プログラムの成功は、コンテンツへの無料アクセスをうまく増やせるかどうかに左右されると思われます。発表されたオープンアクセス料が、著者が他の出版社に投稿する結果を招くのかはまだ分かりませんが、世論の圧力を受けるか、コンテンツをオープンアクセスにしてもジャーナルの安定した利益が確保されれば、発表された掲載料が変更される可能性もあります。

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