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- A.P., エディター

学術誌に論文を投稿したことがあるのなら、その際、剽窃行為の有無を調べられていたかもしれません。多くの学術誌では、投稿された論文とすでに公開されている論文との間の類似テキスト量を検出するために、iThenticateを利用したSimilarity Checkのような検出サービスを取り入れています。多くの著者が抱く疑問の1つは、類似度がどのくらいだと高すぎるのかということです。もう1つの疑問は、下回るよう努めるべき類似度の基準はあるのかということです。

残念ながら学術誌間に決まった基準はなく、それがこの問題に明確な答えを求める著者、特に科学論文を書く経験がまだ浅い若手研究者にとって曖昧な部分です。たとえば、一部の学術誌では類似度が20%未満であれば受理されるかもしれませんが、別の学術誌では類似度が10%を超えた段階でリジェクトされる可能性があります。

また、類似性レポートでハイライトされたテキストの大部分が、学術論文で一般的に用いられる言い回しや専門用語である可能性もあり、類似性を下げるためにこうしたテキストを言い換えると、逆に不自然な言い回しや冗長な表現になる恐れがあります。許容される類似度は、総説論文であるか原著論文であるかなど、投稿の種類によっても異なるかもしれません。1つ留意すべき点は、類似性とは必ずしも意図的な剽窃を意味するわけではないということです。

どの類似性レポートであれ検討する際に重要なことは、明らかに剽窃と見なされるものと、一般的に用いられる短い表現の重複とを区別することです。類似性チェックの結果を解釈できると、言い換えが必要な箇所を判断するのに役立ちます。ひとたび結果を理解すれば、言い換え、同義語の使用、構文の変更などテキストの表現を変える様々な策を講じることができます。

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