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- G.A., シニアエディター

アメリカの主要な大学システムであり、10のキャンパスを擁するカリフォルニア大学は、米国が発行する全学術出版物のうち約10パーセントを担っています。このような成果が高い注目をもたらす一方、同大学はオープンアクセスの拡大推進において主導的な役割を果たしており、研究機関と研究者にとっての大きな問題として、学術誌の購読料の高騰にたびたび言及してきました。

2021年2月、カリフォルニア大学は同大学所属の科学者が発表する論文のオープンアクセス拡大に関し、エルゼビアとの交渉が決裂し、エルゼビアが発行する学術誌の有料購読を更新しない 旨を発表しました。この発表はエルゼビアによる判断の誤りで、同社の財政に悪影響をもたらしかねないものと見なされました。

2021年3月、カリフォルニア大学はエルゼビアと合意に達したことを発表しました。この合意により、筆頭著者がカリフォルニア大学に所属し、オープンアクセスによって即座に閲覧可能となる論文の本数が倍増されます。重要なことに、この4年間の協定では著者らが論文のオープンアクセス化を要請する必要はなく、オープンアクセスが論文公開の標準形態になります。

カリフォルニア大学は今後4年間で研究成果のオープンアクセス拡大をさらに推進していくことが予想されます。エルゼビアが今回の協定でオープンアクセスの可用性を拡大できたということは、コストと収益性を慎重に考慮しつつ、将来オープンアクセスを確実に拡大できるよう取り組んでいる可能性があります。

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