特集記事

- G.A., シニアエディター

プランSの勢いが増し、オープンアクセス出版が拡大を続けるにつれ、一部の研究助成機関の関心がオープンアクセスによる読者の利益から、著者自身の利益に移り始めています。

「オープンアクセス」という名称が示唆するように、この出版モデルの目的は、関心を示す研究者が、所属機関の財政力や研究者個人の経済状況に関係なく、興味のある出版論文を確実に読めるようにすることです。しかし、最近助成機関連合が共同声明で指摘したように、オープンアクセス出版モデルは研究者自身と大学自体の権利も尊重すべきです

オープンアクセスは将来の学術出版の形態と見なされていますが、再利用を制限する独占的な出版契約への署名を著者に要求することは時代遅れであると考える人もいます。著者に論文の所有権と研究成果を再利用・共有する権利の保持を認めることによってのみ、出版モデルは真にオープンであると見なすことができます。

助成機関連合が指摘しているように、出版社はオープンアクセスの改善に大きな進歩を遂げてきました。そのため、著者の権利の保護を求める連合の要請は、オープンアクセスを改善するプロセスの別の1歩に過ぎません。出版社はこれまで積極的に変化を起こし、オープンアクセスを取り入れてきたことから、オープンアクセスの問題を著者自身の視点から考慮することにも前向きに取り組むだろうと考えられます。

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