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- A.P., エディター

科学出版は、著者や出版社が読者と関わり、研究結果を幅広い読者に発信する新しい革新的な方法を模索し、常に進化し続けています。発見可能性はそうした読者の注意を引くための鍵であり、デジタル時代と共に、従来の活字メディアに留まらずオーディオおよびビジュアルコンテンツの活用を模索する動きがでています。 ビジュアルアブストラクトビデオアブストラクトなどの研究発表方法の進歩は、研究をこれまでより見つけやすくし、学術コミュニケーションの場を広げています。

ビジュアルアブストラクトはグラフィカルアブストラクトとも呼ばれ、読者が重要な研究結果をより早く理解できるよう論文を図解したものです。このように研究を図解することは、実際に読者の関心をいち早く引き付け、より読者の記憶に残す方法となっています。また、ソーシャルメディアにおいて共有や拡散をしやすい形態であり、ビジュアルコンテンツのある投稿はない投稿よりも閲覧回数が94%以上多いことが明らかになっています。

ビデオアブストラクトは聴覚と視覚の要素を組み合わせたもので、研究者は人気が高まっているメディアであるビデオを用いて、科学的成果を届ける範囲を拡大することができます。ある最新の統計データによると、毎週、世界のインターネットユーザーの92%近くがデジタルビデオを視聴しており、推定では2022年のインターネットトラフィックの82%以上がオンラインビデオになると言われています。こうしたデータを考慮すると、このデジタルの時代、論文のビデオアブストラクトを使えば幅広い読者に研究成果を届けられる可能性があることは間違いないでしょう。

次回論文投稿の準備をする際には、時間を取って従来の印刷メディアや単純なオンラインテキスト以外の形式を考慮し、論文のインパクトを高めるために聴覚や視覚要素の追加を検討してみてください。ビジュアルアブストラクトやビデオアブストラクトのようなデジタルコンテンツを利用して読者の範囲を広げることは、研究論文がより多くの人に見つけられ、読まれ、引用されることにつながるでしょう。

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