特集記事

- C.C., エディター

COVID-19のパンデミックは、さまざまな形で社会に広く影響を及ぼしてきました。パンデミックにより学術出版の様相も一変し、その影響が研究者による研究テーマにさえなっているのも当然のことと言えます。そして、パンデミックの過程で学術出版界がいくつかの驚くべき適応を成し遂げたことは明らかです。

たとえば、bioRxivなどのプレプリントサーバーの利用が普及したことにより、COVID-19に関する重要な研究が正式に査読・出版される前に、その情報を必要とする読者に届き、研究者らはダイナミックな研究環境をより的確に評価できるようになりました。さらには査読プロセスそのものが迅速化されることも多く、アクセスしやすい別の手段をも提供しています。こうした重要な変化と、多数の著名な出版社がCOVID-19関連の研究に無料でアクセスできるよう早期に尽力したことは画期的な成果であり、出版業界の歴史でも前例がありません。ちなみに、これはCOVID-19のワクチン開発が前例ない速さで行われたのと同じで、出版業界のこのような柔軟な対応がある程度寄与したことは間違いありません。

現在のパンデミックによる危機の終息が近づき、当初非常に強く感じられていた緊急性が薄れ始めた時、こうした変化が持続するのかしないのか、またどのように持続するのか、現時点ではまだ不明です。

英語版はこちら