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- C.C., エディター

人工知能(AI)はGoogle DeepMindのチームがタンパク質フォールディング問題を解決するなど飛躍的な進歩を遂げ、近年大きな注目を集めています。 それにもかかわらず、AIが学術論文の執筆と出版にどのように影響を与えるのか、あるいはAIに適用できるのかはほとんど検討されていませんでした。そのような状況が、最近の進展により一変しています。

OpenAIが開発したGPT-3はAIベースの高性能な言語予測モデルで、以前Guardian紙に掲載された記事の執筆に利用されたことで有名になりました。そのGPT-3が6月、再び話題になりました。2人の研究者Almira Osmanovic Thunström氏とSteinn Steingrimsson氏が、人によるプロンプトや干渉を最小限に抑えて、GPT-3にGPT-3自体に関する学術論文を書かせ、学術誌に投稿しレビューを受けていたことが明らかになったのです。注目すべきは、この論文の筆頭著者としてクレジットにGPT-3の名前があることです。生成物はやや複雑さに欠けるものの、素晴らしいものでした(プレプリントはこちらを参照ください)。

これは一見、興味深いだけの出来事のように思えますが、学術界に幅広く影響を与える可能性を秘めています。Forbesなどの報道機関は既にコンテンツ作成におけるAIの利用を報じています(実際、ForbesもAIを利用しています)。この種の自動化されたジャーナリズムは新しいパラダイムを象徴するもので、学術界でも近い将来に実装されるかもしれません。GPT-3のようなツールがさらに優れた機能を獲得すれば、科学者は研究報告の作成にそれらを使用し始める可能性があります。したがって、出版倫理、クレジット、科学的信頼性、レビューに関する影響を考慮することがますます重要になります。Almira Osmanovic Thunström氏が述べているように、GPT-3のようなツールを利用すれば科学者が数時間で原稿全体を作成できるようになり、学術出版の仕組みそのものを覆す可能性を秘めています。今後の展開には注意が必要であると同時に、期待も持てることは確かです。

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