特集記事

- C.C.,エディター

最近のAIの進化と学術出版におけるAIの影響について定期的に議論してきました。AIが学術出版にダメージを与えているという懸念が高まっているようですので、今回は、AIに関連するいくつかの懸念について紹介します。

最近のWiredの記事によると、多くの大手出版社がAIの使用を開示する必要性を訴えているにもかかわらず、著者はChatGPTなどのツールを頻繁に使用して論文を修正したり、実際に全論文を執筆したりしています。実際に、ElsevierのResources Policy誌に発表された査読付き研究の著者がAIの使用を開示せずにChatGPTを使用して論文を執筆したことが最近発覚しました。論文中に「AI言語モデルは表の作成や試験の実施はできないため、実際の試験結果を表にまとめてください」という奇妙な一文が含まれているスクリーンショットがX(旧Twitter)に投稿されたためです。おそらく、著者たちはこの一文に気づかず、削除できなかったものと思われます。

この一例が確認されたということは、上記のユーモラスな見落としのようなことは発覚していなくても、はるかに多くの著者が同様の方法で論文を執筆していることを示唆しています。AIによって生成されたテキストの検出はますます難しくなり、業界において別の不安の原因となっていますが、よい解決策が見つかるかどうかは不明です。

ただし、別の記事の著者たちは、AIは単に、長い間業界を悩ませてきた深刻な問題を明らかにしているだけかもしれないと、前向きな見解を示しています。AIに関連する問題の1つは存在しない記事の引用ですが、これは新しい問題ではないと述べています。全体として、AIツールの問題ある使用、またはその他の悪しき慣行の主な原因は、論文の出版を研究者のキャリアを評価する主な手段としている壊れたシステムにあると指摘しています。

注意は必要ですが、楽観的な見方もあります。二番目の記事の著者が指摘しているように、AIは、業界が長い間必要とされていた変革をようやく開始するために必要なショックなのかもしれません。

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