- A.P.,エディター
研究を取り巻く環境が変化し続ける中、その影響を測定する方法についての議論も変化しています。引用数指数は、長期にわたり研究のリーチと影響力を評価する基準として使用されてきましたが、この指数のみに依存することの限界が認識されてきています。 研究のインパクト評価については、さまざまな要因や指標を考慮に入れた議論が起こると思われます。
注目すべきは、LensやOpenAlexなどのオープンアクセスデータベースの利用が増えていることです。これらのプラットフォームは、研究者に無料でデータとツールを提供し、研究成果のインパクトを容易に追跡して分析できるようにしています。学問分野や地域を超えて研究成果を包括的にカバーすることで、オープンアクセスデータベースは研究のインパクト測定プロセスをより明確で平等なものにする可能性を秘めています。
さらに、オープンアクセスデータベースは、ScopusやWeb of Scienceなどのプラットフォームを補完する、またはそれらに代わるツールとなる可能性があります。これらの商用プラットフォームは研究者にとって貴重なリソースであることには変わりはありませんが、購読料やアクセス制限を伴うことが多く、利用には制限があります。一方、オープンアクセスデータベースはデータへのアクセスは無制限で、研究のインパクトを評価するには包括的で公平なツールとなっています。
研究評価においては、研究者や研究機関が透明性、アクセシビリティ、多様性が重要であることを認識するにつれて、オープンアクセスデータベース利用の勢いは増すと思われます。これらのデータベースを導入し、研究のインパクトに関する議論を行うことで、研究成果を包括的、総合的に評価する方法に移行していくことができるでしょう。
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