特集記事

- G.A.,シニアエディター

Lancet誌に掲載された最新の大規模調査により、生物医学分野の査読付き論文に捏造引用が増加していることが明らかになりました。コロンビア大学の研究者チームは、2023年1月から2026年初めにかけて発表された約250万本の論文を分析し、2,810本の論文に含まれる4,046件の捏造引用を特定しました。 実在しない引用(タイトルが主要データベースにある実在論文と一致しない引用)は、2023年には論文2,828本に1件でしたが、2025年には458本に1件、2026年初頭の数週間には277本に1件にまで増えました。この急激な増加は、生成AIツールの普及拡大やペーパーミル(論文工場)の活動拡大時期と一致しています。

捏造引用は科学知識の信頼性を脅かしています。システマティックレビュー、臨床ガイドライン、メタアナリシスにも捏造引用は含まれており、エビデンスに基づく意思決定を歪める可能性があります。原因として、十分な検証を伴わない大規模言語モデルの使用(生物医学文野では、30〜69%の割合でもっともらしいが虚偽の引用を生成することがあります)、低品質または不正な原稿を作成するペーパーミル、そして時折見られる意図的な不正行為が挙げられます。出版社も対策を進めており、AIを活用した引用検証、画像スクリーニング、査読前に不審なパターンを検出する原稿選別システムなど、研究公正性を守るための強化されたツールを導入しています

著者にとって厳密な確認作業は必須となっています。執筆段階で全ての参考文献をPubMed、Crossref、Google Scholarなどの信頼できるデータベースと手作業で照合すること、検証機能を備えた文書管理ソフトを使用すること、正確な研究手法やデータソース、AI使用の有無など方法論の詳細を完全な透明性をもって記録することが確認方法として推奨されています。ジャーナルはAIの使用について明確に開示することを求めるようになっており、確認できない引用や不十分な方法論を含む論文は却下される可能性があります。生データや詳細な実験方法を公開リポジトリに登録するなどの予防的な取り組みは、研究の信頼性をさらに高めます。

これらの問題は学術出版の基盤を試している一方、科学界では検出ツールや新たな規則の整備が急速に進んでおり、研究公正性を守る強い決意を示しています。全ての投稿において検証と透明性を優先することで、研究者は論文への信頼を維持し、真の研究成果が発見を推進し続けることを保証できます。

英語版はこちら