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- G.A., シニアエディター

一般市民はメディアが発信する最新の画期的な科学的成果に注目が向きやすいのに対し、科学者は発表済み研究の長期的なインパクトに強い関心を持ちます。Googleは2004年にGoogle Scholarのサービスを開始し、査読済み論文を検索可能なインデックスにすることで、研究者でなくても重要な論文にアクセスできるようにしました。 また研究者は、個人プロフィールを作成して自分の興味のある分野を登録したり、自分の論文の被引用件数を確認することもできます。

Google Scholarは先日、発表済み研究の長期的なインパクトを評価する試みの一つとして、「Classic Papers」のコレクションを発表しました。これは2006年に発表され、(2017年5月時点において)幅広い分野のそれぞれの分野で最も引用された論文を10本ずつ選んだリストで、過去10年間に出版された最も引用された論文のリストではありません。

めまぐるしく変化を続ける科学界では、10年というと長い年月のように感じます。ただ、「Classic Papers」のコレクションが示すように、どの分野にも時の試練に耐え、出版後何年経っても引用され続ける論文があるのです。

「Classic Papers」にリストアップされた論文を見ると、人工知能やヒトゲノムなど、多くのトピックについて現在も精力的な研究が行われており、一般の関心も高いことが分かります。今年これまでに発表された研究のうち、10年後にどれが「Classic Papers」になっているでしょうか。将来を予測することは難しいですが、想像するのは楽しいものです。

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