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- G.A., シニアエディター

査読とは、学術雑誌に論文を掲載する前に研究の妥当性を評価するためのシステムです。科学における査読の根本的な重要性を考えると、査読そのものが学術研究の対象となるのは非常に興味深いことです。

2016年11月にフランスの研究者グループによって、査読の負担に関する興味深い調査結果が発表されました。学術雑誌や出版される論文の数は年々増加しており、査読者の負担は増す一方です。この調査では、バイオメディカル分野における査読の持続可能性を明らかにし、増え続ける論文の投稿と出版に科学コミュニティがどのように対処しているのかについても調べています。

調査結果を分析したところ、現時点の論文投稿数と出版数は学術出版の持続可能性を大きく揺るがすほどではありませんでした。しかし、科学コミュニティにおいて査読の分布は不均等であり、具体的には20%の研究者が大半の査読を行っていることが判明しました。

これらの結果は、査読の責任が研究者の間でよりバランスよく分担されるように、研究者自らが積極的に働きかける必要があると明確に指摘しています。査読は学術出版において重要な役割を果たしており、その重要性は今後も変わらないことを考えると、上記の研究は有意義と言えるでしょう。また、根拠に基づくアプローチを査読に採用する必要性も強調されており、論文の科学的内容だけでなく、査読のプロセスそのものにも、コンピューターモデリングなどの最新手法を導入する必要性が示されています。