特集記事


- G.A., シニアエディター

12月のプレスリリースで、マクミラン・サイエンス・アンド・エデュケーション社はnature.comに掲載の49誌に発表された論文のオープンアクセスをさらに広げるプログラムを始めることを公表しました。ジャーナルの購読者は、リンクを使い、掲載論文全文を読み取り専用PDFとしてオンラインでシェアできるようになります。 さらに、科学に対する世間一般の関心を促すため、マクミラン・サイエンス・アンド・エデュケーションは世界100か所の報道機関にも同じく原著論文を読み取り専用PDFとして読者に提供することを許可しました。

近年のオープンアクセスへの関心の高まりを思えば、Natureの決断はなんら驚きに値しないと言えるでしょう。政府系機関は公的助成を受けた研究に対して、その成果をオープンアクセスジャーナルで発表することを要求するようになり、また、ビル & メリンダ・ゲイツ財団も最近、オープンアクセスに関する新方針を2015年1月1日より実施することを発表しました。これは同財団が助成を行った全ての研究の成果を公開する際に即時にオープンアクセスにすることを義務付けるもので、購読者のみにアクセスが限られるエンバーゴ期間を設けないとのことです。主要な研究助成財団によるこのような方針転換は、マクミラン・サイ エンス・アンド・エデュケーションのような出版社にとってはプレッシャーであることは間違いありません。それはつまり、出版社はビジネス手法を適応させるか、さもなければ多くの命を救ったり世界を大きく変えたりするような研究論文を掲載する機会を逸することになりかねないということです。

ビル & メリンダ・ゲイツ財団の新たな方針とNatureにおける変化は、世界中の研究者、特にビル & メリンダ・ゲイツ財団がその支援に力を入れている途上国の研究者たちに恩恵をもたらすことになるでしょう。


関連特集記事
こちらも合わせてお読みください: オープンアクセス化が学術出版にもたらす影響とは? » OAジャーナル:より多くの読者獲得を目指して »