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- G.A., シニアエディター

トムソンロイター社のインパクトファクターは、ジャーナルの影響力を被引用数によってのみ測るという点で批判されることもありますが、被引用数は研究の重要性の指標としてある程度は参考になるものです。そこで今回、ネイチャー誌はトムソンロイター社の協力を得て、被引用数の分布におけるひとつの最端に注目する試みを行いました。

ネイチャー誌のウェブサイトに掲載されているインタラクティブな特集では、被引用数の歴代トップ100論文が紹介されています。興味のある方は、ネイチャー誌のウェブサイトからダウンロードできる上位100論文の詳細をまとめたExcelファイルをご覧ください。これら論文の生データは驚くべき数字を示しています。例えば、上位100位にランクインするためには、最低でも12,119回引用されている必要があります。さらに、最も引用されている論文は、1951年に発表されて以来、なんと305,148回も引用されています。

これを全体的な数字に照らし合わせてみると、トムソンロイター社のWeb of Scienceには約5,800万の論文が収録されており、うち被引用数が1,000を超えるのはたったの14,499論文なのです。

上位100位の論文の多くは、特定の研究分野で今では標準とされる実験方法やソフトウェアについて記述しているため、このように気が遠くなるほどの被引用数に達しています。その結果、これらの論文よりも「重要」と言える内容を示しているにもかかわらず、その内容がそれほど多くの論文に引用される必要がないため上位100位に入っていない論文もあります。

上位100位に含まれる論文が頻繁に引用された理由がどのようなものであるにしろ、一本の論文がこれだけ多くの後続の研究の基礎になり得ることをつぶさに知るのは素晴らしいことには違いありません。


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