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リジェクトされた学術論文を別のジャーナルに投稿するよう提案されたら?



- G.A., シニアエディター

投稿した論文がリジェクトされたのですから、同じ出版社が発行する他のジャーナルに論文を発表する義務はまったくありません。一方、別の出版社が発行するジャーナルに新たに投稿することを決めた場合、「二重投稿」や著作権の問題を懸念する必要はありません。

インパクトファクターの高いジャーナルは投稿数が多く、限られた誌面を巡って競争が激しいため、編集委員は最も重要な論文、もしくは面白い研究を扱った学術論文のみを選ばざるを得ません。しかし出版社の多くは、他の研究に比べて地味ではあるが出版の価値がある論文を掲載するチャンスを逃していることを認識しています。 このような論文を確保するためにオープンアクセスジャーナルを立ち上げた出版社もあります。つまり、通常のジャーナルにおいてはインパクトの高い研究に的を絞るスタイルを維持しつつ、オープンアクセスジャーナルの方でこれらのこぼれた重要な学術論文を出版する機会をしっかり押さえておこうというのです。

ジャーナルへの投稿論文をリジェクトする際に、著者に対して自社が発行するオープンアクセスジャーナルに投稿するよう促す出版社も出てきました。それにより、立ち上げたオープンアクセスジャーナルに注目を集めることができ、またその投稿論文が出版に値するということを著者に知らせることができるからです。しかし、このような提案にどのように対応すべきか迷う著者もいると思います。その場合、以下の点を心に留めておくと良いでしょう。

まず、出版社の提案に従う必要はないと認識することが大切です

次に、ジャーナルは通常多くの投稿論文を抱えているため、出版社の提案に対してお礼状を送ったり、なぜその提案を受け入れないことに決めたのかをEメールで説明したりする必要はありません。

最後に、ある出版社に投稿した論文をリジェクトされ、代わりにオープンアクセスジャーナルで発表するよう提案されたからといって、別の出版社から同じ評価を受けるとは限りません。自分の研究成果がインパクトファクターの高いジャーナルでの発表に値するものだという信念があるのなら、自社のオープンアクセスジャーナルへの投稿を促す出版社の提案を受け入れるのではなく、他のジャーナルに投稿することを検討すべきでしょう。

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