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- G.A., シニアエディター

英国王立協会として広く知られる「自然についての知識を改善するためのロンドン王立協会」は、現存する最も古い学会であり、科学出版社でもあります。王立協会は1660年に設立され、協会発行の学術誌「フィロソフィカル・トランザクションズ」は1665年に創刊されました。この伝統ある王立協会が、今年新たにオープンアクセス誌を創刊するというニュースを意外に思われた読者もいるかもしれません。 このオープンアクセス誌「Royal Society Open Science」は協会発行の既存の科学誌とは異なり、特定の分野に専門を絞ることなく科学全領域を対象とするということです。

王立協会は2011年に協会初のオンライン限定のオープンアクセス誌「Open Biology」を創刊し、また協会発行の学術誌はどれも著者に対してオープンアクセスの選択肢を提供しています。このような経緯からも、王立協会による新しいオープンア クセス誌創刊は決して予想外のことではありません。しかし、王立協会のオープンアクセス事業拡大の動きは、インターネットがもたらす変化の波によって、研究成果へのオープンアクセス化に対する期待が世界的に高まっていることを反映していると言えるでしょう。過去数十年に渡り、インターネットはオープンアクセス化運動から生まれた炎を煽り続けてきました。世界最古の学会の発行するジャーナルでさえもその耀きを無視できないところにまで来ているようです。


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