- G.A., シニアエディター
公衆の面前で話をすることは決して簡単なことではありません。できれば避けて通りたい、というのが大抵の人の本音ではないでしょうか。しかし研究者にとって、学会での口頭発表は必ず踏まなければならないステップのひとつです。発表原稿を整え、パワーポイントでのスライド作成も終え、質疑応答セッションへの準備も万端、となれば今度は、プレゼンテーションの練習です。
人前で話をすることに長けた人は、それがさも簡単なことであるかのようにやってのけます。ところが実際、大勢の聴衆を前にしても動じない人ほど、練習の大切さを身に沁みて知っているものです。発表原稿を何度も繰り返して読むだけでも、落ち着いてプレゼンテーションを行っているように見え、自然な印象を与える効果があります。同僚や友人に頼んで発表の練習を聞いてもらえば、どの部分をもっとゆっくり発音すべきか、講堂の最後列の人たちにもしっかり声が届いているかなどについて、意見をもらうことができます。中でも最も効果的な練習方法は、英語のネイティブスピーカーとマンツーマンでプレゼンテーションの練習をすることです。経験豊富なネイティブスピーカーであれば、発声の際の声のトーンやリズムについて、また難しい英語の発音についてフィードバックをするこ とができます。さらに、どのようにすればひとつのスライドから次のスライドへスムーズに移行できるか、強調のためのジェスチャーや一呼吸置く間の取り方な どについて有益なアドバイスをくれるでしょう。
学会に至るまでは準備に追われる忙しい時期でしょう。それでもネイティブスピーカーとマンツーマンで練習をする時間さえ確保できれば、分かりやすく、自然な印象を与えるプレゼンテーションが行えます。そして何より、自信と余裕を持って聴衆の前に立つことができるはずです。